ある日、ツレが自転車雑誌でツーリングコースを見つけてきて、こう行こうと言い出しました。

「20~30km程度だから大丈夫!」

「基本下りばっかりだから大丈夫!」

大丈夫、大丈夫のオンパレードで、ちょっと行っても良いかなぁなんて気になってきました。

その雑誌では4ページに渡って紹介されているんですが、登場している人は軽装だし、これなら行けるかなぁ~ (’’

 

山道ということで若干不安はありつつも、この時期なら紅葉も綺麗かもしれない!とも思って、ちょっと楽しみになったりして。

「紅葉」が見れるかもしれないと思っただけでちょっとワクワク。

私のイメージとしては、山道といえば北海道の美瑛に行った時に走ったコース程度の道を想像していた訳です ^^b

まぁ、今思えばあそこは「山」ではなくて、あくまでも「丘」だったのだけれども、坂道だし似たようなもんかと ^^;

だから、ひらけた風景の中で、紅葉を楽しみながらサイクリングなんてサイコーじゃないか!って密かに盛り上がってました。

あくまでも、今回は「山道」だったのに・・・ (、、

 

 

朝起きたら東京は雨。天気予報も雨。

目的地の長野県は曇りの予報。

東京を出たら雨もやむだろうと思いつつ車を走らせるも、曇天重~く立ち込めて、どこまで行ってもシトシトシトシト・・・

中央高速をひた走り、八王子を抜けて神奈川に入っても同じ状態だったので、こりゃ長野も雨かぁ?と思い始めましたが、笹子トンネルを抜けた途端に天気が変わった ( ゚д゚)

う~ん、川端康成の小説の様だと、変なところで感心w

 

自宅から2時間ちょっとで目的地に到着。

ここは、富士見パノラマリゾートというところ。

ここは冬場スキー場になるのだけれど、スキーシーズン以外はMTB(マウンテンバイク)のコースになるそうです。

まず最初に誓約書と保険の申し込みをば。

書類が置いてある場所の横に看板があって、保険に入ろう的な事が書いてあります。

「よくある怪我」とあり、大きな文字で、

「鎖骨骨折」「骨盤損傷」「手首骨折」

・・・よくあるんだ? Σ( ̄□ ̄lll)

 

な~んか、とんでもない所に来ちゃった気がしてきた (=_=ミ

 

いきなりテンション下がり、足取りも重くなりましたが、今更帰りたいとは言えない ;-;

どんな道か分からないからと履いてきたトレッキングシューズが重いのも手伝って、ショップまでが遠く感じる orz

 

予め予約しておいたレンタル品をこのショップで受け取ります。

自転車、ヘルメット、膝とスネを覆うプロテクターと、肘と腕を覆うプロテクターと、手袋。

 

こんな仰々しいプロテクターなんて、雑誌の人はつけて無かったじゃないかぁ (´Д`。)

 

ここで希望のコースを告げて地図を貰い、途中の分岐点での目印なぞも地図に書いてくれて教えてもらいます。

私達が行くのはスタートとゴールは富士見パノラマスキー場ではあるものの、その他はほぼ一般道。

「ここには東屋があって・・・」「ここは石碑があって・・・」と、山道での説明は詳しく親切なのだけど、山道を降りた先の集落の辺りになると、「ここはよく迷う人が多いです」って、ろくな説明もなく。

しかも、地図が切れてるんですが ーー;

(↓の×の辺りがゴールなのですが・・・)

091027_0816~0001

「まぁ、分からなくなったら左の方に行けば国道に当たるんで大丈夫ですよ」と、はなはだ大丈夫とは思えない説明で締めくくられ、不安いっぱいのスタートです ^^;

 

 

まずは一気にゴンドラ(スキーで乗る6人乗りのもの)で頂上へ行く訳ですが、スキー板を持って乗るのとは全く違い、その何倍もの大きさの自転車を抱えながら乗るのは一苦労。

MTBは前後両方にサスペンションが有るんで重い o(TヘTo)

1台のゴンドラに2台の自転車と2人が乗るので、早く乗らないとと焦る気持ちも手伝ってか、余計にうまく乗れない ヽ(≧Д≦)ノ

ガツンガツンぶつけながらもなんとか突っ込んでセーフ ^^;

 

頂上に到着し、ここでも少々苦労しつつゴンドラから降りて、さっそく乗ってみた途端にツレのMTBのチェーンが外れた (’’;

外れただけだったのですぐに直せたから良かったけど ^^;

またもや不安要素が追加された感が・・・ (´;д;`)

 

最初の道は砂利道の上り坂。

まぁ、たいした斜度じゃないし、一気に漕いで登れるだろうなんてタカをくくっていたのに、ギアの設定が上手く出来ないからか、重すぎて途中で降りて押しました。

この程度の坂道で押す羽目になるとは想定外 (; ̄ー ̄A

後から分かった事ですが、自分が持っている自転車と、今回借りた自転車ではギアの設定が逆。

しかも、ギアを変えても反映されるまでに時間がかかるんだな。

上り坂を超えたら次は下り。道は相変わらず砂利道。

砂利道って慣れてないのよね、私 ーー;

うちの周りって子供の頃から殆ど舗装されていたし、近くの公園は自転車を乗り入れて走りまわれるような大きさじゃなかったから、舗装された道以外って、あまり走った経験ないんだよね ^^;

そういえば、数ヶ月前に多摩川の河原を走った時、初めて自転車で走った砂利道に手こずって格闘し、なんて走り辛いのかと思ったんだよねぇ (、、

今更思い出しても遅すぎるけどさ・・・ orz

 

登りでは気がつかなかったけど(てかそもそも殆ど押してた)、砂利道の下り坂があれほど怖いものとは (((((( ;゚Д゚)))))

思ったようにブレーキが効かないんですね Σ(´Д`;)

この道は斜度はあるけど広かったのでマシだったけど、それでも

 

助けて~っっっ 。。゛(ノ><)

 

って感じで、走りだしてからまだ200m位しか走ってないのに、既に帰りたくなってきましたよ (´;ω;`)

 

まぁ、それで帰っちゃうのもなんですし、もうちょっとMTBに慣れれば上手く走れるようになって、快適になるかもしれない。

それにまだ楽しみにしていた紅葉を見てないしね!

 

この先もしばらくは砂利道が続きますが、先ほどまでの高低差は無い道で、ほどなく一般道にぶつかって舗装した道に変わりました。

あぁ、舗装って素晴らしい ゜*。(*´Д`)。*°

 

一般道路ではあるものの、そもそも車自体があまり通らないので、さっきまで四苦八苦していたのが嘘のように快適に走れます。

もう頂上に近い辺りの紅葉は終りにかかっているようで、葉っぱはかなり散っていたりしますけど、それでも十分美しいです。

091025_1142~0001

思わず自転車を止めて寝ころびたくなるような原っぱがあったり、ススキに囲まれた道があったり、景色が移り変わるので飽きる事なく走って行きました。

もっと沢山写真を撮れば良かったのだけど、この先もう少し下って行った辺りの方が紅葉はより綺麗になると思っていたので・・・ (、、

 

山頂周回コースを回って、分岐点に来ました。

右へ行けば元のゴンドラ降り口の辺りを経由して丸金林道へ。

左へ行けば金沢林道へ。

距離としては丸金林道が9km、金沢林道が20kmとなっていて丸金林道側の方が短いのですが、「ややきつい下りの荒れた林道」という補足文に恐れをなし、「ゆるい下りのフラットダート」の金沢林道を迷いなく選択 ^^b

(↓金沢林道の入り口)

091025_1212~0001

あぁ、これくらいの斜度なら楽勝♪

なんて最初は思ってたんですが・・・

091025_1231~0001

次第に↑の様に荒れた道になってきて、傾斜も厳しくなってきました。

どこがフラットだ!??と文句を言いたいような斜度の細いくねくねした坂道を下って行くんですが、ずーっと坂道だし砂利道だしで期待する程にスピードが殺せません 。:゜(;´∩`;)゜:。

一度あまりにブレーキを強く握りすぎたのか、後ろのタイヤが滑ってしまって、めちゃめちゃ焦りました ━━Σ(゚Д゚|||)━━

こんな砂利道で滑って転んだら、プロテクターがあるとはいえ無事で済むとは思えません (@_@;)

 

楽しみにしていた紅葉は、よほど意識して見るようにしないと全く目に入らず、目に入るのは砂利道のみ ーー;

子供の頃から砂利道には慣れているツレは、ガチガチに緊張しながら走っている私の横を、スイ~っと抜かしてあっという間に見えなくなってゆきます。

 

このジャリガキめ! o(*゚□ ゚*)o

 

「景色の良いところを見つけて待ってるのに止まらずにどんどん行っちゃって、景色楽しんでる?」なんて言われましたが、行っちゃってるんじゃなくって、止まれないのです ( ノω-、)

 

誰だよぉ、「下りだから楽ちん」なんて言ったのは (´;ω;`)

ブレーキを握る腕は痛くて仕方ないし、戻るに戻れないし、もうこれはレジャーじゃなくて、「修行」だと思い腹を括ります!

時々耐えきれなくなると、自転車を止めて手をストレッチして思い出したように写真を撮ってみたりします。

091025_1230~0001

綺麗なのよね、景色は。

・・・見る余裕が無いのが・・・ね (=_=ミ

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このやり方が正しいのかどうなのか良く分からないながらも、ブレーキのタイミングに合わせて踏み込む(?)と無理なくスピードが落とせるような気がしてきました。

スキーでもスピードが乗り過ぎたなという時に踏み込むと多少スピードが殺せますが、それと同じ?

ともかく、ブレーキを握るのに手だけの力では限界になって来たので、それを信じて軽くジャンプ(?)しながら下ったので、殆どペダルを漕がなかったにも関わらず、体中の筋肉が悲鳴をあげてきました ;-;

後からその話をしたら、そんなんでスピードが落ちる訳がないと一蹴されましたけど、信じる者は救われるのです!w

 

ようやく林道を抜けました (((((*ノДノ)

林道の中では道以外あまり見た記憶がないです ーー;

道は細い(車1台分くらい)し、ガードレールもないしで、かなり冷や冷やしましたよ。いい汗どころか冷や汗かきました ;-;

ここからは舗装路なので、楽勝でしょう。

30分程度で戻れそうだね。なんて、甘~い予測を立ててました。

 

予想通りというか、案の定集落で迷いました ;-;

そもそも、地図が切れているのが悪い!

言われた通り国道まで出てしまうのも良いんですけど、ゴールはあくまでもスキー場。スキー場というのは高い位置にあるのですよね (´`)=3

既に体力は限界に来ている所に加えて、砂利道抜けて緊張の糸もプッツリと切れて、心身共にくったくた (;´ρ`)

1mmでも登りは少なくしたいのです (*´-ω-`)・・

そんなんだから余計に迷うんですよね。その道が正しいかも分からないので、自然に力も入らなくなるし、疲れで足も上がらないのです (´Д`。)

ギアを軽くすると確かにペダルは回るんですが、その分ペダルを回さないと進めなくって、それはそれで大変 (、、

体動かすのは嫌いではないけれど、だからと言って体力が特別あるって訳ではないのですから 。・゚゚(ノД`)

 

もう自転車を漕ぐ体力(なのか気力なのか・・・)も尽きたので、うんしょうんしょと押しながら進む訳ですが、まだ体力が尽きていないツレには自転車に乗っている方が楽に思えるらしく、こちらに向けられる視線がイタイ o(TヘTo)

確かに自転車に乗れているのであれば、一足先に行ってもらって、後から自分のペースで到着出来れば良いのだけれど、なにせ道が分からないのでそうもいかない。

その都度待たせる形になって申し訳ないなぁと思っていたら、

 

ガチン

 

という金属音が (’’

 

ツレのMTBのチェーンが切れた (゚ロ゚屮)屮

 

揃って自転車を押す事になりました (; ̄ー ̄A

 

途中から私が自転車を押す速度の遅さにキレたツレが、2台共自転車を押してくれたんですが、ここまで座って休憩なんぞ出来るような場所もなかったので、足が上がらない。

ちょっとでも座って休めればまた違ってたんだろうなぁと思います。というか思いたいw

自転車が無くなって歩きやすくなったかというとそうでもなく、逆に自転車が杖替わりになっていたような気さえしてきました。

 

途中で丁度良い長さと太さの枝を見つけたので、小枝を払って杖代わりにしようと思ったのですが、突いたとたんにボキッとあっさり折れて使い物になりませんでした (、、

 

待ちに待った案内板が見えてきて、ゴールだ! O(≧∇≦)O

と喜んでいたら、その下に汚れて薄くなった文字。

1km

・・・ (’’

 

信じられないし、信じたくない ーー;

途中から舗装路ではなくなって、またも砂利道が登場です。

ここまでは緩い上り坂だったけれど、この看板以降の坂がまたキッツイのなんのって (ノД`)・゜・。

 

最初から最後まで、どこもかしこもハードでしたよ私には orz

敢えて楽だったところを上げるとすると、頂上の方の舗装路。

多分、全体の1/4もしくは1/5程度。

MTB初心者の私にはとてつもなくハードでした (、、

 

レンタル品一式を返却し、いきなり切れたチェーンにクレームもつけてからゲレンデ(ダウンヒルコース)側を見ながら一服していたら、上から人が降りてきました。

降りてくるというよりも、飛んで来たって感じ (’’

ゴール地点に設けられたジャンプ台を、ビヨ~ン、ビヨ~ンと飛んでくる人達を見ながら、「よくある怪我」に納得でした (゜ロ゜)